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良くも悪くも下らんことでもひたすら考えるのみ title

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ナレーション(flash)

宇宙戦艦ヤマト

アニメは、数が多いので、順番などを気にしないで、思いついた順で記載していこうと 思う。そこで脈絡も無く、宇宙戦艦ヤマトについて、考えてみることにする。 まずは、せっかく最初なんで、ヤマトを含めた70年、80年代の日本アニメ作品について 考えて見た。そうするとやはり、名作、傑作が多いと言っていいと思う。なにせ海外にまで 知られている作品が非常に多い。(ドラ、ドラコンビを筆頭に、マジンガーやらガンダム やら北斗の拳やら・・・)

実在した戦艦大和

現在、世界中で戦艦は1隻も無い。ミサイルが開発されているからだろう。今後、戦艦を作ることも考えにくいから、大和は、史上最大級の戦艦で歴史に名を残したのだ。

良い悪いを、後世に残ったことで評価して良いなら、その数が多いってことは、この時代は 文化的な面で、全体的にレベルが高かったんだろう。言いすぎかもしれないけど、確かに、 色々な、個性的な作品が多いのだ。

これはきっと、人とは違ったことをして、後世に残す物を作りだそうとした人達が、多か った為だと思う。事実、自分が子供の頃は、周りの雰囲気でもそうだった気がする。 新しい遊びを発明しては、周りにアピールしたり、ゲームの攻略法を発明したり・・・ ガキのすることだったから変なのも多かったけど、その中で定着するようなものもあった。 子は親を見て育つっていうから、当時は、日本的にもそういう時代だったのだろう。

結果として、

70年、80年代の頃は、「偉人」の多い時代だった。

と言えるんじゃないだろうか。やっぱり。
今後の未来はどうなのか解らないけど、それ程長くない期間 で、あれだけたくさん後世に残っているのは、評価に値すると思う。

宇宙戦艦ヤマト

子供の時、この構図でノートに絵を書くのが、ちょっと流行った。

話をヤマトの件に戻して、宇宙戦艦ヤマトのアイデア的な面での、オリジナルなポイントを 考えてみる。

  1. モチーフとしての戦艦大和
    実在した日本軍の戦艦大和を、モチーフとしている。この大和なんだけど、第2次世界 大戦中に日本軍が開発した、史上最大級の戦艦だった。大艦巨砲主義時代の艦である。 とりあえず、でかいので世界最大の大砲を積んでいたらしい。射程も長い。しかし、欠点 も多い。命中率の問題。でかいので相手にとって当てやすい。燃費が悪い。速度もあまり 出せない。正直こんなもの、見栄張ってでもなきゃ、作らんと思う。 しかし、そんな戦艦を作った気持ちは、なんとなく理解出来る。黒船来襲くらいの頃 に、海外の船や、文化に衝撃を受けた国だものなあ。そんな列強諸国に勝ちたくて、
    さらに、でかい船を作っても不思議ではないのだ。

    ワープ

    ワープと波動砲の2つはヤマトの目玉。SF的にはスタートレックを真似ているようにも見えるが、独自性は覗える。

    しかも最期は、勝つわけも無いのに、空母数隻待つ海上に出航していったのだ。本当に、 日本人の意地とか見栄の艦なんだな。(そんなものに巻き込まれる兵士もつらいが) こんな戦艦をモチーフにしている。大和を改造して宇宙戦艦にしたって設定なのだ。 有る意味、日本人の夢でもあるんだろう。アニメとかゲームってこれだからいいなあ。 夢の世界を、映像化出来るってゆうのがいい。 でも、単純な戦争肯定アニメにならないようにしているところが、さすが昭和のクリ エイターといいたい。戦艦大和のイメージもうまく伝えている。

  2. 絶滅寸前にまで追い込まれる地球
    本当に、日本人の夢なのかも。大和って、敗北寸前の日本が最期に賭けた艦だったし。 絶滅寸前の地球を救え!って設定。これまでのアニメや、特撮でも、宇宙人が攻めて くる設定は有ったけど、人類を絶滅寸前に追い込む程の、圧倒的な規模の敵設定は、 最初だったのかもしれない。何はともあれ、この設定で、緊迫感と、苦難に立ち向かう 人々の姿を、このアニメ独特のものとすることが出来たようだ。

  3. イスカンダルまでの旅
    絶滅寸前の地球を救うため、イスカンダルまで、コスモクリーナーを取ってくる設定。 この設定がすばらしい。敵国家を倒すことよりも、地球を救うことを大きくクローズ アップすることが出来、単なる戦争アニメと、一線を画すことが出来たようだ。 この設定のおかげで、遠い戦場まで戦争に向かわなくてはいけないような、兵士の感情 や、新しい事をすることの苦難、人々の期待に答えることの、喜びと大変さ、つらさ等、 このアニメの中にふんだんに盛り込むことが出来た。制作者サイドもきっとこの点を強調 したかったはずである。OPやENの音楽や歌詞が証拠。個人的にも、このOPとEN はとても気に入ってる。軍隊っぽくて、哀愁もあり、テーマも盛り込んでいて・・・ 毎度思うけど、独自の項目を作って、アピールすることに掛けては、本当に昭和時代の 人達ってすごい。

  4. 期間の設定
    人類滅亡の日まで、後XXX日。という設定がある。旅をする設定から派生して、 考えられたのかもしれないが、緊迫感を煽る演出効果は、充分に有った。2.と同じく 苦難に立ち向かう人々の姿を、さらに、強調している。

最後の地球との交信(10話より)

この10話はヤマトの主題をよく表現しているので、個人的にかなり気に入ってます。戦争に出る人達と待つ人達の心情をうまく表現していると思う。最初のヤマトを知らない人は、この話だけでも見て欲しい。




この中でも、テレビ版のヤマトは3.が本当に強調されている。イスカンダルまで14万 8千光年とあるけど、当時も子供心で、はるか彼方の雰囲気が出ていて、想像力に訴える ものがあった。それになんといっても音楽が合っている。ハスキーボイスの女性のコーラス とか、効果音とか、戦闘時の音楽も含めて、全体的に音楽の組み合わせ方がうまい。 昭和作品は、映像と音楽を合わせるのがうまい。うますぎw。

次に、実際の戦争について考えてみた。これは架空の戦争アニメではあるが、実際において も、敵地に侵攻、そうでなくとも最前線に出る兵士達は、遠い近いに関わらず、戦場という 過酷な地域への「旅」という感情になるのではないだろうか。
(海軍は、特にそう思うだろう)
戦争を楽しんでやっていた人間もいたかもしれないが、少なくとも大部分の人間は、自分や 自分に関連する人達の安全を求めて、有る意味、しかたなく戦っていたと考えるのが普通だ。

「戦いたくなくとも、戦わざるを得ない状況になった場合」

つらかっただろうな。本当に。帰れるかどうか解らない遠くまで遠征して、家族とも離れ離れ になって・・・アニメの中でも、その辺をうまくアピールしているな。 所詮、国家の為とか言っていても、一般人にとっては、きっと戦争なんて迷惑な話なのだ。 それと、もうひとつ、イスカンダルまでコスモクリーナーを取ってくる設定でも、考えさせ られてしまった。新しい物を作りだすことについての大前堤を、さりげなく言っているよう な気がする。そうなのだ。「人々の期待」

個人的な意見だけど、新しい事をすることや、新しい物を作る事は、決して作る側やする側 の欲求を満たすためで無く、人々の期待に答えることが前提だと思う。簡単に例を示すと、 もし、地球が別に汚染されていなかったとする。ということは、ガミラスが攻めているわけ でなく、多少は苦労したかもしれないが、コスモクリーナーを取ってきたとする。喜ぶ人が いるはずもない(それもかわいそうではあるが)。だって「今」必要じゃないものなんだから。逆に、人々の期待の話だけど、極論になる けど、「あいつを殺したい」なんて期待に答えるのもどうかと思う。だから、期待に答える ってのも、内容によるんだろうけど、少なくともヤマトのような状況で、答える事は、たく さんの人間を喜ばすことになるわけだし、すばらしい事だと思う。

まとめると、度々主観になるけど、もしかするとヤマトでは、この2つが言いたかったの かもしれない(というか、自分には結果そういう風に見える)。

「戦争で、戦いたくなくとも、戦わざるを得なかった人間は少なからず存在する」
「新しい物を作ることや、道を開くことは、人々の期待を背負うべきである」

勝手な解釈で申し訳ないが、そんな気がしないでもない。ヤマトが再放送くらいから、 除々に人気が上がってきたのは、内在的な要素で、このようなことを訴えていたからなの かもしれない。なにせ日本人の心情そのものに訴えてるんだから。白色彗星編では、「人を幸せにすることで、自分も幸せになれる」と言って いた。むしろ、こちらのが本当に言いたかったのかもしれないけど。

戦争のゲームとか面白がってやってしまうけど、こういった本質的な面は忘れないように心がけます。自分。

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