キャプテン翼Ⅲ

テクモシアターと言っている。なんとなく納得。
こんなゲームも有りました。これもソロモンの鍵と同じでテクモです。Ⅰは ほとんど同じ時期に発売されていたような?個人的にはⅢが好きなので、こ れを題材にしてこのゲームの魅力について考えてみたいと思います。 最初に、ゲームキャラクタのキャプテン翼という漫画について。 80年代のジャンプ黄金期の漫画作品の一つです。
内容は、ちょっと超人っぽい設定の熱血サッカー漫画って感じ。 このころのジャンプは、「友情、努力、勝利」って感じの漫画だらけで、個性 的なライバルや敵キャラが出てきては、戦い。戦って仲間になってさらに強い 敵と戦うという展開が多かった(ギャグ漫画も多かったが)。この漫画もベタ でこの路線。ドラゴンボールや、アラレちゃん、北斗の拳、キン肉マンなどと、 ほぼ同じ時期に連載されていたと思う。

これは普通にある技。子供の時に遊びで練習したのだ。
面白いのは、このちょっと前くらいは、侍ジャイアンツや巨人の星など、熱血 でちょっと超人っぽいスポーツ漫画は、野球漫画がほとんどだったこと。しか し、この漫画が出ていた頃は、野球は割と青春漫画っぽい(タッチなど)路線 となっていた。 その影響もあったのか、男の子供は、外で集まって遊ぶ時は、野球がほとんどだったけど、 サッカーもだんだんやり始めた気がする。(少なくとも自分の記憶では) 当然、ドライブシュートだとか、ヒールリフトとか遊びでやっていた。試合中にまとも に出来る奴はほとんどいないのだがw。
意外と漫画の影響って子供にとっては、大きいものかもしれない。 話戻して、こういう作品をゲームにするとなると、なかなか難しいことだっただろう。 でも、結果的には面白いゲームが出来あがっていた。制作スタッフがキャプテン翼の 良い所を良く知っていて、そこが随所にアピールされている。システムも画期的だった。 いくつかポイントを考えてみる。

雷出るわ、キーパー吹っ飛ばすわ、ネットつき破るわ。
- 演出重視
必殺シュートや必殺技の演出画面がゲームで中心となっている。切りつめていうと このゲームは結局これに尽きる。必殺シュートを放って、必殺セーブ(笑)でキャ ッチにいくが、手を弾いてネットを突き破って得点ゲット!の瞬間が爽快なのだ。
- スポーツゲームで有りながらアクション性がほとんど無い。
このゲームは不思議なゲームだ。正直、どのゲームジャンルなのだろう? SLGらしくもあるし、RPGの要素もある。アドベンチャーのようでもあるし、 実はスポーツゲームなのだ。しいて言えばもっとも近いのはシミュレーションRPG な気がする。アクション性が低いのは、スポーツゲームでどうかとも思うけど、 キャプテン翼の漫画内容にぴったりなので、これがベストだと個人的には思う。 アクションよりも、ひたすら必殺技って漫画な気がするから。
- ガッツ消費
2.に付随して、画期的な設定がこれ。各個人にガッツ(意味合いは殆ど体力)が 設定してあり、アクションが無い代わりにこの設定で必殺技の制限をしている。 強力なシュートを打つには大量なガッツを消費する為、そうやすやすと打てない。 このあたりの感覚もやはり漫画内容に有っている。漫画でも翼がへたばるシーンが 多かったり。怪我したり。 ただ、この設定の為、やはりスポーツゲームというより、シミュレーションRPG の色合いが濃い。
- 攻守交代
本当のサッカーのように中盤でボールを奪ったり、奪い返されたりを繰り返す・・・ ような展開はほとんど無い。ほぼ一連の流れでシュートまでいく。 カウンター合戦のような雰囲気。だから試合展開が割と早い。キーパーが目立つ。

熱血スポーツ漫画の主人公は、定番でよく怪我するような・・・・
後、これは普通のアクション重視のスポーツゲームでも参考にして欲しいけど、この ゲームはRPGなので、選手が成長するのだ。よって、最初は勝てない相手でも、何度か 戦っているうちに勝てるようになる。敵の必殺シュートを必殺セーブを使わなくても 止められるし、逆も有り。タックルもパスも普通に出来るようになるので、ボールの 支配率が上がる。など。
この辺の感覚は自分でも好きだ。漫画は基本的に夢の世界が多いのだから、どんなに 練習しても勝てないような敵は作らない。アクションゲームにすると、ゲームがへたな 人がやってそういう事に陥る可能性が有るので、漫画のイメージを潰しかねない。 もし、このゲームがアクションゲームで、どうしても勝てないような敵がいたとする。 漫画のイメージで買った子供に取っては、「夢」を潰しかねない。 だから、これでいいんだろう。そうは言ってもラスボスの西ドイツは強いし、何回も レベルアップが必要だけど。

漫画連載当時は、プロがなかったですから。しかし、本当にこれで良かったのかと思うときもある。釜本とかラモスとか居た時のが、なんとなく夢が有ったような・・
話が少し飛躍するけど、昭和の作品群でたくさんの名作が多いのは、こういう雰囲気が 確かにある。出来るだけ見る人や、やる人のイメージを壊さないようにする。作品の 内容もそうだけど、関連していた人達もそのグッズやらゲームやらを作る時に、そういった ことを配慮していたように思える。もっとも、そこには商売として売り上げが基本に なっているんだろうけど、そうした感覚が相乗効果になるんだろう。だって、ゲームから この漫画知って、読み始めた人もきっといたと思うから。 書く人、作る人が割とやりたいようにやっているように見えるけど、実は、見る人、やる人 のことを優先で考えていたんだろう。
最後に一言。
翼君は、サッカーは僕の夢だ!って言ってた。俺もちょっと。
ここだけの話、サッカーが、子供時代に人気になり始めた一つの理由は、野球やってて「ボール」をしょっちゅう無くしたのも、原因の一つじゃないかと思う。(少なくとも自分らはそうだった)しょーもない理由のようだけど、ボール無いと遊べないもの。
ゲームは子供の夢だ!
最近は大人のゲームも増えているけど、これもやはり基本な気がする。