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人造人間キカイダー

タイトル画面

この映像とバックの音楽が、印象に残ってずっと覚えていた。

この作品も割と有名と思う。仮面ライダーとほぼ同じ頃に放映されていた。 個人的には、仮面ライダーよりも、印象に残っている作品の一つだ。 それにしても、仮面ライダーと同時期ってのは、すごいな。しかも、この番組は、裏で (いや、こっちが裏かもしれないが)伝説の怪物番組「8:00だよ!全員集合」が 放映されていたのだ。なんと当時、平均視聴率40%だったという。

うーむ。別に、見ろ!って強制されていた訳でも無いのよ。今じゃとても考えられない。 しかし、この番組も基本的には「子供番組」な訳で、結局この当時は、子供番組の 全盛時代だったと言えるのではないだろうか。 実際、自分はその時期を肌で知っているしなあ。確かに事実なんだよなあ。 「全員集合」も相当見ていたしなあ。しかし、「キカイダー」も面白いんだよなあ。 当時は、ビデオが無くて、嬉しい悲鳴だったな。

では、仮面ライダーや、ウルトラマン、全員集合と戦った、本作の特徴点を比較しつつ 考えてみる。

キカイダー

ロボットに見せる苦労が覗える。下手するとCGよりリアルな気がする・・・

  1. タイトル(人造人間キカイダー)
    個人的に思うのは「人造人間」という表現は、仮面ライダーと区別化して、かつ、 重みのある表現で、カッコいい印象がある。 それに、仮面ライダーが人間を改造した「改造人間」で有るのに対して、キカイダー は原型の人間がいるわけでなく、一から作られたロボットなわけで、「人造人間」。 間違ってない。しかし、こっちはいいが、「キカイダー」の方は相当悩んだらしい。 「レッドブルー」「ゼロダイバー」・・・確かにキカイダーのが、インパクト強いな。 ここだけの話、自分は、機械だからキカイダーではなくて、奇怪だからキカイダー? かとも当時思ったりした。仮面ライダーが少し奇怪だったから。これも同時期に放映 されていた影響かも。しかし、どっちにしても、インパクトあった。 2つの意味をかけて・・・それは無いか。

  2. サイドマシン
    本当に、徹底して仮面ライダーとの差別化をしたかったのね。サイドマシンとは。 でも、これは正解だったみたい。バイク自体が当時の最先端だったので、キカイダー のメカ的な印象を最先端なイメージとして与えてくれた。 横に誰か乗せて走ることで、誰かを守る為に戦う、または、逃亡する為に戦う。 というイメージを組み入れることが出来た。 (実際、作中でも、その2つのシチュエーションは確かに多かったと思う) それに、最初の話に戻るけど、本当に仮面ライダーと違う作品の印象となった。

  3. 着ぐるみ(敵キャラ)
    狙ったかどうかは解らないけど、仮面ライダーの着ぐるみを作った会社と違う会社に 依頼している。その為?かどうかは断定出来ないけど、確かにちょっと雰囲気が違う。 それと特徴的なことで、ロボットなので当たり前だけど、メカ的な部分を強調して 作成されているようだ。例えば、目やらその他の部分が光るとか、ロケットやら 火やらが飛び出してくるとか。そういえば、腕とか足とか壊れるシーンも多かったな。 それも、ロボットっぽさを出す為なんだろう。

  4. 良心回路の苦悩シーン

    このシーンがもっとも印象深かった。どんな雑音でも笛の音が妨害されれば変身出来るのだ (命令が聞こえなかった理由とする為?=聞こえなかったので、「主人に従う」を排除して、良心回路が働いたと考えられる)。

  5. 良心回路
    キカイダーといえば、有名なのは、良心回路の設定だろう。ダークのロボットとして 作られたキカイダーは、基本的には、ダークの意思を守らなくてはならない。しかし、 悪事に加担することは拒絶する為の回路。それが良心回路の概念らしい。 今気づいたけど、この設定では、完全な良心回路なんて出来るのか?という疑問も あるな。主人の意思を守らないことを悪と考えればだけども。 (完全な良心回路を持つと、主人の指示に従うことにもなる?悪党の組織で作られた 時点で不幸ということか・・・) それはともかく、作中では、主人公のジローが、苦悩しているシーンばかりが印象 深い。 自分もこの作品を子供の頃見た印象では、そのシーンばかりが思い出される。
    「つらくても、悪事に加担しないで、正義を貫いている姿勢」
    これが、やはり、ヒーローのカッコよさの原点なのだと、自分は思う。

    これがカッコいいと思われないと、逆に少しさみしい。 また、良心回路の設定は、仮面ライダーと差別化している点が有る気がする。

  6. ハカイダー

    顔の好みは有るだろうが、とにかくインパクトはすごかった。「俺は卑怯な手は嫌い」とも言っていた。しびれる。

  7. ハカイダー
    キカイダーと言ったらハカイダー。と言っていいくらいに印象深い。 カッコいいヒーローとしてを強調しているのだから、それを引き立てる為には、 カッコいい悪役を。ってな感じだったのかなあ。どちらにしても、すごい印象深い キャラクターなのだ。しかも、設定もカッコいい。 キカイダーを倒すことだけを目的に作られた。博士を有る意味「捕虜」にしている。 血液交換しないと戦えない。キカイダーが倒されて、自分の目的を失って作成者の ギルに反逆する。アウトローのガンマンのような風貌。専用の主題歌。 何週も前から登場を期待させる演出。 すごいな。これでもかってくらいに、悪のヒーローを強調させている。印象に残って いる訳だ。(01になるとかなり印象が変わるけど・・・)

ジロー

はっきり言って、この作品でこの人の演技力による功績は大きいと思う。 ガキの頃はなんだこのふけた顔の人はと思ったけど、内面性がヒーローの精神に近いような気がする。 DVDの特典映像を見てさらにそう思った。

もう一つ述べたいのは、主人公の伴氏の演技力。よくこんな人見つけてきたものだ。 なんというか、熱血漢で、やさしい。しかも真面目そう。演技で無く本当にそんな性格の人だったかもしれない。 本当にそういう性格の人を見つければ、演技でそういう風にしてくれと教える必要も無い。しかも表情に出る。うーむ。 出演者で似合った人を探す所から、すでに視聴率との戦いが始まっているのだ。 さらに、もうひとつ、特筆したい。ゲームでも何でもそうなのだが、当時の日本作品は、 「映像と音楽」を1セットにして合わせることが、とにかくうまい。映像を活かすような音楽が入っている。 または、逆に、音楽に合うような映像が作られている。これは、キカイダーだけに言えることでは無く、 昭和の作品群ほとんど全てに言える。音楽で映像のポテンシャルを出来るだけ上げようとしているように見える。
主観と言われても構わない。

音楽は発想力そのものがもっともよく出る文化だから、昭和時代が、発想力の優れていた 証明なような気がする。ちょっと悔しいが。 キカイダーでいえば、例えば、登場の音楽とか、戦闘時の音楽、効果音、OP曲、ED曲。 どれもこれもが、映像を活かすような音楽で、「個性」を引き出している。
何度も言うけど、主観と言われて構わない。

当時、同時期に放映されていた番組(一部)・・・
ミラーマン、超人バロム1、月光仮面(アニメ)、 赤胴鈴之助、ゲゲゲの鬼太郎、変身忍者嵐、ウルトラマンA、 怪傑ライオン丸、海のトリトン、仮面ライダー、デビルマン、 科学忍者隊ガッチャマン、アイアンキング、ワイルド7、 マジンガーZ、ファイヤーマン、レインボーマン、 ジャンボーグA、バビル2世、アストロガンガー、仮面ライダーV3、 ミクロイドS、ロボット刑事、流星人間ゾーン、ウルトラマンタロウ
知っているもの中心にしぼってもこれだけある。(たった9ヶ月) 全部見たいぞw。
しかも、これに加えて、「全員集合」やクイズ番組もあったんだからなあ。
ふと思ったけど、今でもチャンネル争いってのはあるのだろうか。

この辺が、この時代の作品群が何年たっても、普通に見ることが出来る要因だと感じる。 最後に、「ハカイダー」について。 面白いことに気付いた。ハカイダーは、人間の脳で動いているので、「改造人間」ということなのだ。 しかも、「数分間しか戦えない」。 解った人は解っただろうけど、これは、「仮面ライダー」「ウルトラマン」なのだ。 露骨に当時の強敵番組のキャラ設定で、「強敵」を作り、しかも、変なキャラにするのではなく、 とてもカッコいい、有る意味惚れそうなキャラにする。 キカイダーが本当に、「視聴率」としての意味合いでも真っ向から強敵に立ち向かっていったようなイメージがある。

相手を強いと認めて、それに正面から立ち向かう勇気。これもヒーローの基本ですな。

なるほど、作っている人達の精神そのものが「ヒーロー」だったのかもしれない。 また、今度、別の記事も書いてみよう。

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