格闘王をめざし、今、闘いの旅が始まる。
ストリートファイター
カプコン 1987年8月より稼動

歴史的なヒット作である「ストリートファイターII」の元となった作品。

プレイヤーは若き天才格闘家”隆”(2P側は拳)を操作し、格闘技界の頂点を目指す事が目的。 波動拳や昇龍拳などの必殺技を駆使しながら各国の強豪を相手に勝ち抜いて行く。

対戦格闘ゲームは本作以前にも「空手道」(84年)、 「イーアルカンフー」(85年)などが存在していたが、弱、中、強攻撃の使い分けや、レバーを入れておけば自動的にガードしてくれるシステム、コマンド入力による必殺技などを取り入れたのは本作が初めて。 大きくて個性的なキャラクターや、世界中の格闘家と闘えたのも当時としては画期的だった。

また、本作独自の特徴として忘れてはならないのが空気圧ボタンを採用した大型筐体(圧力センサー)の存在である。 これはボタンを叩く強さによって弱、中、強攻撃を使い分けるというもので、 使いこなすにはかなりの慣れと体力が必要とされた。

通常技を出すのも一苦労で、3~4回連続でプレイすれば腕はガクガク、汗びっしょり。ある意味、『格闘体感ゲーム』とも呼べる代物だった。 製造コストなどの問題から、後に6ボタンのテーブル筐体タイプが出回ることになるのだが、これは後のストIIブームで普及する”6ボタンコンパネ”の元祖でもある。

ゲーム画面

画面を見る限り「ストII」とあまり変わらない様に見えるが、実際はかなり荒削りな内容でプレイ感覚はほとんど別モノと言ってよい。 「ストII」と比べると動きのテンポが速く、敵の技を見てから反応する事はほぼ不可能。 技の攻撃力も非常に高いため、ラッシュをかけられると一瞬で勝負がついてしまうこともあった。 その反面、主人公の必殺技の威力もケタ外れに高く設定されていたのだが、入力判定が近年の格闘ゲームより厳しく、出し方も秘密になっていた。

開発は後にSNKへ移籍する西山隆志氏や松本裕司氏によるもの。
西山氏はアイレムで「ムーンパトロール」や「スパルタンX」などを手がけた後、カプコンへ移籍。 その後、SNKの専務を経て現在は(株)ディンプスの社長という濃い経歴の持ち主である。 松本氏はSNKへ移籍後、「龍虎の拳」や「餓狼伝説2」などをプロデュースしている。