格闘王をめざし、今、闘いの旅が始まる。
ストリートファイター
カプコン 1987年8月より稼動

圧力センサ

このストリートファイターで使われていたボタンはラバー製で非常に大きく、その中には圧力センサーが内蔵されている。これによってどれだけの力でボタンを叩いたか、ということが測定されそれがそのままゲームに反映されていくという、非常に特殊なシステムが採用されていた。

すなわち、このゲームは、当初、体力を使うゲームだった。

普通のゲームコントローラは、ゲーセンにしても、家庭用ゲーム機にしても、ボタンを押すのに、苦労することは無く、幼稚園児くらいの力で、操作可能のものである。しかし、このゲームでは、強攻撃を出すのには、本当に力を使うものだった。(慣れるとそうでも無いらしいのだが・・。)

しかも、コマンド技の入力がシビアで有り、ボタンを押すのに集中すると、レバー操作でミスが出る上、ボスクラスの敵は本当に動きが早く、しかも一撃が重い為、ストⅡの「ベガ」よりも数段強いと感じる人も多かったと思う。(そもそも、この圧力センサー時のこのゲームをクリアした人間を見掛けることは、皆無とだった。)この、技だけでなく「体力」も要求されるゲームは、本当に敷居の高かったゲームだったと言える。

しかし、当時ゲーセンは、男性の天下であり、強さや、カッコよさを求める男性的な価値観を満たそうとするゲームは、非常に多かった。そう言った観点で、「対戦格闘ゲーム」として、圧力センサーを付けたもので完成させようとしていった発想も、頷けるものも有ると思う。

ただ、やはりこれはやりすぎだったようで、結局「ボタン型」へと移行していった。つまり、「体力」の必要性を切って、一般化したのである。結果的にはこれは成功し、そもそものこのゲームのシステムが非常に良かった為、ストⅡ以降の成功は周知の通りである。

しかし、では、このようなシステム(体力を使うようなゲームシステム)は、本当に廃れてしまったのだろうか。そんなことも無いように思う。今までのゲームの歴史上、似たようなシステムの例を挙げてみる。

<コラム>「体力ゲーム」の歴史について